ミズガメの飼い方完全ガイド|初心者でも失敗しない育て方・ライト・放流NGの新ルールまで

熱帯魚

のんびりした動きと愛嬌のある顔で人気のミズガメ(水生・半水棲の亀)。丈夫で長生き、人にも慣れるので、初心者にも飼いやすいペットです。水中を泳いだり、ライトの下で甲羅干しをしたり、見ていて飽きません。

ただし「丈夫だから何もしなくても育つ」は大きな間違い。水槽・ライト・餌の管理を正しく知らないと、病気や短命につながります。逆に基本を押さえれば、亀は10年20年と一緒に暮らせる長い付き合いのパートナーになります。

この記事では、これからミズガメを飼いたい人に向けて、知っておくべきルール・種類の選び方・必要な道具・水槽の作り方・ライトの使い方・餌・水換え・季節の管理・健康と衛生まで、これ1本で分かるように、どこよりも詳しくまとめました。気になるところだけ目次から読んでもOKです。

この記事は水場で過ごすミズガメ(クサガメ・ニオイガメ・イシガメなど半水棲の亀)の飼い方です。陸で暮らす「リクガメ」は飼い方が大きく違うので、別途リクガメの情報を参考にしてください。

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【最重要】ミドリガメを飼う前に知っておくルール

いちばん身近な亀ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は、2023年6月1日から「条件付特定外来生物」に指定されました。飼うこと自体はできますが、ルールを知らずに違反すると罰則の対象になるので、飼う前に必ず理解しておきましょう。

すでに飼っているミドリガメは、そのまま飼育OK。今まで通り最後まで飼えます。

ただし、次のことは禁止です:
・池や川など野外に放す・逃がすこと(うっかり逃がすのもNG)
販売・輸入すること
・不特定多数への譲渡

野生のものを捕まえて飼うことは可能ですが、一度飼ったら最後まで責任を持つこと。逃がした場合、飼い主が防除費用を負担する法的な決まりもあります。

ミドリガメは適応力が強く丈夫なため、捨てられて野生化し、日本の在来種を脅かす大問題になっています。「飼えなくなったから川に放す」は絶対にNG。捕まえる・お迎えする前に「30cm近くまで育つ亀を、10〜30年飼い続けられるか」をよく考えましょう。

これから新しくお迎えするなら、規制のないクサガメ・ニオイガメなどがおすすめ(次章で解説)。ペットショップでもミドリガメは販売できなくなっているので、お店で買えるのは規制対象外の種類です。詳しいルールは自治体や環境省に確認すると確実です。

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亀ってどんな生き物?

亀は爬虫類の仲間で、世界に約300種類いるといわれます。背中と腹の両側に甲羅を持つのが最大の特徴。食性は雑食で、植物も動物も食べます。

飼ううえで大事なのが、亀は変温動物だということ。自分で体温を作れず、気温に体温が左右されます。だから——

  • :活発に動き、よく食べる
  • 春・秋:動きが鈍くなり、食欲も落ちる
  • :基本的に冬眠する

そして、亀にとって日光浴(甲羅干し)はものすごく重要。体温調節をするほか、日光に含まれる紫外線を浴びることで、骨や甲羅を健康に作ります。室内飼育でこの紫外線をどう確保するかが、亀飼育の最大のポイントです(後で詳しく解説)。

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初心者におすすめの種類

この記事で扱うのは、水場と陸地の両方で過ごす「半水棲のミズガメ」(クサガメ・イシガメ・ニオイガメなど)です。リクガメは飼い方が全く違うので別途調べてください。初心者におすすめの種類はこちら。

  • クサガメ:日本でおなじみ。人懐っこく丈夫で、寒さ暑さに比較的強い。首の黄色い線が特徴。オス15〜20cm/メス30cm近く。最初の1匹に最適
  • ニホンイシガメ:日本固有種。きれいな水を好む。やや上級者向け
  • ミシシッピニオイガメ:最大11cmほどと小型で飼いやすく人気。水中にいることが多い
  • カブトニオイガメ:15cmほどの小型。気性は荒めで単独向き
最初の1匹は、丈夫で人に慣れるクサガメか、小型で省スペースなニオイガメがおすすめ。亀は子亀でも最終的に大きくなるので、大人サイズを前提に水槽を選ぶのが失敗しないコツです。

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亀の飼育に必要なもの

魚と違って、亀は「水場+陸地+ライト」が必要なのが大きな特徴。最低限そろえたいものはこちら。

  • 水槽:大きめ(次章でサイズ解説)
  • フタ(脱走防止):亀は爪を引っかけて柵を登る脱走名人。必須
  • 陸地(浮島・レンガ・甲羅干しスペース):体を乾かし日光浴する場所
  • バスキングライト:体を温める保温用ライト(太陽熱の代わり)
  • 紫外線(UVB)ライト:骨と甲羅を作るのに必須(太陽光の代わり)
  • 水中ヒーター:水温を保つ(カバー付きが安全)
  • ろ過フィルター:亀は水を汚すのであると管理が楽
  • カルキ抜き・温度計
  • :亀用の人工飼料
亀は脱走の名人です。爪が引っかかる垂直の壁は登ってしまうので、フタや返しを付けて確実に脱走を防ぎましょう。水場と陸地の高低差で逃げ出すこともあるので、高さに余裕を持たせます。

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水槽のサイズは「大人サイズ」で選ぶ

亀は子亀のうちは小さくても、成長するとかなり大きくなります。最初から大人のサイズを見越して水槽を選ぶのが鉄則です。種類別の目安はこちら。

  • ニオイガメ・ドロガメ(小型):45〜60cm水槽
  • クサガメ・イシガメ:60cm水槽
  • ミドリガメ(アカミミガメ):90cm以上の水槽
45cmと60cm水槽は周辺機器も含めて値段に大差がなく、60cmの方が対応グッズの品揃えが豊富。スペースが許すなら、小型の亀でも60cm水槽が便利です。子亀のうちは大きすぎる水槽だと管理しにくいので、成長に合わせてステップアップしてもOKです。

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ライトの使い方|亀飼育で一番大事

室内で亀を飼うとき、太陽の代わりになる2種類のライトが命綱です。これを軽視すると病気になるので、最も大切なポイントとして覚えてください。

① バスキングライト(保温用)

亀の体を温めるためのライト。当たる場所に温かい「ホットスポット」を作ります。亀は変温動物なので、自分でこの温かい場所に行って体温を上げ、活発に動き、餌を消化します。陸地(甲羅干しスペース)に向けて設置し、亀が好きなときに温まれるようにします。

バスキングライトが当たる陸地は28〜32℃前後のホットスポットになるのが目安。ライトから離れた水場との間に温度差を作ることで、亀が自分で体温を調整できる環境になります。

バスキングライトは「球(電球)」と「ソケット・スタンド」が別売りのことが多く、球だけ買っても点灯できません。初めて買うときは、クリップスタンドや器具が一体になったセットを選ぶか、対応するソケットを一緒に用意しましょう。また、ライトは高温になるので、亀が直接触れて火傷しない位置に設置し、燃えやすいものを近づけないでください。

② 紫外線(UVB)ライト

太陽光の紫外線(UVB)の代わり。亀がカルシウムを吸収し、骨や甲羅を健康に作るのに不可欠です。バスキングライト(保温)とは役割が違うので、基本は2種類とも必要です(保温だけ/紫外線だけでは不十分)。

紫外線ライトは水場の大きさに合わせてW数を選びます。目安は45cm水槽で13W、60cm水槽で26W。最初は13Wから始めて、日光浴の時間が長いようならW数を上げる、という選び方もあります。

紫外線が不足すると「クル病」という、甲羅が柔らかくなったり変形したりする病気になります。クル病は完治が難しいので、予防がすべて。室内飼育では紫外線ライトを必ず設置してください。なお紫外線ライトは防滴機能がないものが多く、水滴がかかると割れることがあるので、水がかからない位置にしっかり固定します。バスキングライトも同様に、防滴タイプを選ぶか水はねに注意しましょう。
紫外線ライトは光っていても紫外線は時間とともに弱まります。半年〜1年を目安に、球が切れていなくても交換するのが理想です。「ライトを点けているのに調子が悪い」ときは、球の寿命切れ(紫外線量の低下)も疑ってみてください。バスキングと紫外線が一体になったランプもありますが、防滴でないものが多い点に注意です。
ライトなしで飼いたい場合は、気温が上がる昼前に毎日1時間ほどベランダで直接日光浴させる方法もあります(ガラス越しだと紫外線が遮られるので、直接が基本)。ただし夏の直射は熱中症の危険があるので、必ず日陰も作ってあげてください。

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水槽の作り方(セッティング)

① 水槽を設置してフタを用意
安定した場所に置き、脱走防止のフタを準備します。

② 水場と陸地を作る
亀が泳げる深さの水場と、全身が乾かせる陸地(浮島・レンガなど)を両方用意します。

③ カルキ抜きした水を入れる
水道水にカルキ抜きを入れて注ぎます。深さは亀が泳げて、かつ溺れない程度に。

④ ライトを設置
陸地の上にバスキングライトと紫外線ライトをセット。水がかからない位置に。

⑤ ヒーター・フィルターを動かす
水中ヒーター(カバー付き)とろ過フィルターを起動します。

水換えを楽にしたいなら、ろ過フィルターやウォータークリーナーがあると便利。屋外飼育なら、排水栓付きの簡易流し台を水槽代わりにして、排水を楽にする上級テクもあります。

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餌のあげ方

亀は雑食性で何でも食べますが、メインは亀用の人工飼料(レプトミンなど)がおすすめ。栄養バランスが良く、これだけで基本は育ちます。与え方は数分で食べきれる量を目安に。

  • 主食:亀用の人工飼料(沈む・浮くタイプあり)
  • おやつ:小魚、エビ、赤虫など(栄養バランスを考えて時々)
  • 野菜:小松菜などの葉野菜を少し
人工飼料は栄養価が高いものが多く、与えすぎは肥満や水質悪化のもと。食べ残しは水を汚すので取り除きます。亀は水中で餌を食べるので、食事は水場で。冬眠中や水温が低い時期は食欲が落ちるので、餌は控えめにします。

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水換えの方法

亀はとても水を汚しやすい生き物。餌の食べ残しやフンで水がすぐ汚れます。ろ過フィルターがあっても、定期的な水換えは必要です。

① カルキを抜いた水を用意
水道水にカルキ抜きを入れ、水温を合わせておきます。

② 汚れた水を抜いて交換
ろ過の有無や汚れ具合に応じて、部分的または全部交換します。亀がいる場合は一時的に別容器へ。

③ 新しい水を入れる
水温を合わせた水をゆっくり入れます。

水が臭う・濁るのは水質悪化のサイン。餌の量を見直し、こまめに水換えを。ろ過フィルターやウォータークリーナーを使うと、水換えの手間がぐっと減ります。

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季節ごとの管理|夏と冬

夏の管理

近年の猛暑は亀にとっても危険。室温・水温が上がりすぎないよう、エアコンや風通しで調整します。屋外飼育では、すだれで必ず日陰を作り、涼める場所を用意してください。日陰がないと亀も熱中症になります。屋外は猫・カラスなどの外敵対策にネットのカバーも忘れずに。

冬の管理|冬眠させる?させない?

亀は本来、冬は冬眠します。ただ初心者には冬眠させず、ヒーターで適温を保つ「加温飼育」がおすすめ。冬眠は失敗すると命に関わるため、まずは加温で越冬させるのが安全です。

冬眠させない場合は、水中ヒーター・パネルヒーター・バスキングライトで飼育適温(多くのミズガメで23〜28℃前後)を保ちます。水中ヒーターは亀が触れて火傷しないようカバー付きを選ぶと安心。子亀は特に寒さに弱いので、加温飼育が基本です。

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健康と衛生|サルモネラに注意

亀を飼ううえで知っておきたい衛生の話。亀などの爬虫類は、サルモネラ菌を持っていることがあります。

厚生労働省によると、カメなど爬虫類のサルモネラ菌保有率は高いとされています。サルモネラ症にかかると下痢・嘔吐・腹痛などを起こすことも。亀やその水に触れたあとは、必ず石けんで手をよく洗いましょう。特に小さなお子さんがいる家庭は要注意。亀を触った手で口や食べ物に触れないようにします。

よくある病気と予防

亀の病気の多くは水質悪化・日光浴(紫外線)不足・栄養不足が原因。逆に言えば、きれいな水・適切なライト・バランスの良い餌があれば、多くの病気は防げます。

  • クル病:紫外線・カルシウム不足で甲羅が柔らかく・変形。紫外線ライトで予防
  • 甲羅の異常:水質悪化や栄養不足のサイン。環境を見直す

気になる症状があれば、爬虫類を診られる動物病院に相談しましょう。亀を診られる病院は限られるので、飼い始める前に近くにあるか調べておくと安心です。

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まとめ|亀は正しく飼えば一生もののパートナー

亀飼育のポイントは——放流NG(最後まで飼う)・大人サイズで水槽を選ぶ・バスキングライトと紫外線ライトは必須・水場と陸地の両方・こまめな水換え・触ったら手洗い。これさえ押さえれば、丈夫な亀は初心者でもしっかり育てられます。

亀は10年20年、種類によっては30年以上生きる長寿のペット。のんびり甲羅干しをする姿、餌をねだって近づいてくる姿は、暮らしに穏やかな癒やしをくれます。ルールと責任を守って、長い時間をかけてゆっくり絆を育てていってください。

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